古い檄文の言葉のようだが,「自由と解放」,それに勝る価値は存在しない。ワイヤードでは,特に。
ビデオ圧縮技術を手がけるOn2社は,同社のオープンソースコーデック,VP3と,ロイヤリティフリーのMP3代替フォーマットのオッグ・ボルビスが統合されると発表した。これで,ライセンス問題で混乱が続くMPEG4に対抗し,普及を目指す。
驚いた。ことあるごとに話題を振りまいているOn2だが,この組み合わせの実現は,VP3普及の加速を生む可能性を感じさせる。VP3は画質も及第点以上で,プラットフォームも広い。問題はエンコードにかかる時間だけだ。それさえ解決すれば,ほぼデフォルトとなってもおかしくない(その点があって私は現在,3ivx+MP3か,MPEG4+MP3に落ち着いている)。そうか,しかもこの統合によっておまけとしてクイックタイム向けにオッグ・ボルビスのエンコーダ,デコーダも備わるというわけですな。素晴らしい。
On2 VP3,そしてオッグ・ボルビスの双方に云える素晴らしい点は,圧倒的にファイルサイズを削減することで音楽,動画に翼を与え(これはMP3やMPEG4も同じ),そしてフリーであることでどこへでも自由に大空を飛び回れることだ。それと比べたら,CDやDVDに入っている音楽や動画は牢屋に閉じこめられた死刑囚のようでしかない。その自由や,開放的な感覚が,音楽や動画を美しいものへと進化させる。多少の圧縮による音質・画質の劣化よりも,その自由さ・解放性は利点となる。そしてそれは,MP3にもMPEG4にもない素晴らしさとなる。
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